ベルが鳴る
















ボクは高校一年生。


授業が退屈でたまらない。


何もしないと眠くなるので、教科書に落書きをする。


だからボクの教科書は落書きだらけ。


先生の似顔絵、迷路、パラパラマンガ、レタリング。


それに飽きたら窓の外を見る。


それに飽きたら空想する。


なにかとてつもない幸運がボクに舞い込んでくるみたいな虫のいい空想。


それに飽きたら10年後のボクにテレパシーでメッセージを送る。


10年後のボクが高校生のボクからのテレパシーメッセージを受け取る瞬間を空想する。


退屈で死にそうだというメッセージに10年後のボクは何と応えるだろう。


そんな事を考えてたら終業のベルが鳴った。


ボクはこのベルの音が気に入っている。