僕は転校生


















僕は転校生である。


僕は真面目である。


しかし転校した学校の生徒はみんな不真面目である。


母さんは僕が赤ん坊の時に死んでしまっていて、父さんは煙突の途中で引っかかっている。


札幌で僕は、毎朝6時30分に起床して散歩に出掛けていました。


寒いかと思いましたが、滞在中はさほどでもありませんでした。


おもに近所の川沿いの道を歩いていました。


それは川を覗くと良い事があったからです。


鴨や海から産卵に帰ってきた鮭が見えたからです。


鮭を見つけた時は、にわかに信じられずそれと分かると凄く興奮しました。


1時間くらい川縁で過ごしました。


川を眺めるのに飽きたらコンビニで野菜ジュースを買って公園に行きました。


ベンチに座って野菜ジュースを飲みながら色んなことを考えました。


楽しい気分になったり悲しい気分になったりしました。


空を見上げてUFOも探しました。


僕は気が向いたらUFOを探します。


それに飽きたので公園の中を歩きました。


クローバーがたくさん生えていたので、かがんで四葉のを探しました。


随分一生懸命に探しましたが、見つかりませんでした。


少しいたたまれない心持ちになりました。


宿泊先に戻ろうと思いました。


独りでいる事はいっこうに平気でしたが、2時間程ぶらついたので外にいる事に飽きてしまいました。


人恋しくなったのかなとも少し考えましたが、そんな風には思わない様に振るまいました。


闇雲に歩いていたので、少し迷いながら宿泊先に戻りました。


ローンウルフを気取ってはみたものの、その時の僕はストレイシープでした。


僕は転校生である。


僕は真面目である。