海水パンツの裏にあるポケットに塩豆を3粒しのばせる。

そして防波堤まで歩いて行き、端まで来たら海に飛び込む。

それから隣の海水浴場まで遠泳する。

一時間くらいで泳ぎ着く。

砂浜に大の字になって寝転がり、ポケットから塩豆を取り出す。

ふやけて柔らかくなった塩豆をムシャムシャやる。

ぼくが夏休みにやっていた事はこれきりだった。

蟬はただ鳴いているものとするように、ぼくは独りでそればかりをくり返した。