初めて自分の車を手に入れた時は凄く嬉しかった。
スバルR2というツーサイクルエンジンのボロ車だった。
ボクはその車を5万円で買った。
ボディーカラーは白だった。
でも塗装が剥げて錆が浮いている箇所がいくつもあった。
あまり体裁の良い状態ではなかった。
内装も外装に違わぬ有り様だった。
シートはあちこち破れてスポンジが剥き出しになっていた。
エンジンも手強かった。
暖かい時期は比較的エンジンはかかりやすかったけど、寒い冬はチョークを引いてプラグが被らない様に注意しながらエンジンをかけた。
かかったエンジンは暖気運転を入念にしないと直ぐにエンストした。
手のかかる車だった。
でも愛着があった。
最後はモノコックボディーの足回りが錆で腐ってしまい修理不能になった。
手放した時は自分の青春が去ってしまったような気分になったけど、その時ボクはまだ19歳だった。