相棒
















オレが”オマエ”と呼ぶ相手は相棒を意味する。


だからオマエは相棒だ。


従ってこの任務において我々は共に歩む運命にある。


運命共同体だ。


この唐草模様の風呂敷も、夜中にこっそり見ず知らずの人のお宅に忍び込み金品を黙って預かるのも、オレは社会の潜在的ニーズに応えているに過ぎないと考えている。


一種の外商ってやつだ。


では外商に出掛ける前に腹ごしらえだ。


昨日のお宅でお預かりした雛アラレを食べよう。


ムシャムシャ…。


…湿気っていてあまり旨くないな。


紙袋の味に似ている…。


オレが以前食べた紙袋は紙袋としては最高の味だったが、この雛アラレはアラレとしては最低の味だな…。


ウゥ〜ムシャムシャ…。


話は変わるが黄色い潜水艦が迎えに来るっていうのは、どういう意味なんだ?


さっぱりわからないよな?


やっぱりオマエもそうか、安心したぜ。


オレさ、きょうここに来る途中の公園で一服点けてたんだよ、そしたらカエルが花壇からノソノソ這い出して来たんだ。


ヤッコさん完全に寝ぼけてやんの。


で、オレはヤッコさんに何て言ったと思う?


わからないって。


ハッハッハッ、そりゃそうだ。


「もう春ですよ。起きなさい!」って凄く優しく言ってやったんだ。


テンションあげあげぇ〜ってかぁ!


ハッハッハッ!ボルテージはギンギンだな。


よし、じゃあこの体の火照りを沈めるために電撃訪問に出掛けるか。


スパナ持ったか?


よし、じゃあ行こう相棒!!


外商だ…。